Songs -episode 1-

不協和音

―――――――――――――― ピンポーン



ーーー……忘れてた。



私の手元に渡された小さな箱を見つめた。
中を開けると無機質な外側の包みとは正反対な、とても綺麗にラッピングされたそれが顔を出す。


私が咲人の左側で何も考えず能天気に笑えてたあの頃、
咲人の為に注文していたプレゼント。

いつもポッケで小銭や鍵をジャラジャラ言わせていた咲人に見つけたとっておきのプレゼント。

キーケース。


約束していたバレンタインデーに渡したくて。



「忘れてた…。今日だ。」



あれから本当に学校が忙しくてなるべく何も考えない様にして過ごした。夜はバイトか、研究室で過ごす様にした。



咲人からも貴宏からも連絡は無い。




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