野良猫サーカス 2 【完】

★★ /「勝負、しない?」






時場所変わって、一色宅。







「はああぁぁ……」



重い溜め息が口から湧き出てくる。



仕方ないだろう。まさか委員長があんな人だったとは。初めの真面目そうな印象が最後で全部吹っ飛んだよ。



面白い人だったけどね。うん。でも何だろう、この脱力感は。



テーブルに突っ伏したまま、もう一度溜め息を吐く。




「まあまあ。過ぎたことは仕方ないだろ。な?」


「……そうなんだけどね」



まさしくその通りなんだけどね。



困った顔をして私の正面側の席に着く来栖。今の私、超絶面倒臭い奴だよね。ごめんね。



「うぅん」と唸っていると、顔のすぐそばでコトッと物音が聞こえた。



それに顔を上げれば、オレンジ色とローズ色の二色が層になっている、綺麗な飲み物が置かれていた。



部屋の光に反射して、淡い光が零れている。



「ほい、オレンジローズヒップハイビスカスティー。よく混ぜて飲んでな」


「……お前、紅茶まで作ってんのか」



なんてこった。驚きだ。あと名前が長い。



目を見張ってそれを見つめれば、来栖の隣に座った如月が「いやいや」と苦笑いをする。



「簡単だよ。ローズヒップハイビスカスティーにいたってはそういう茶葉があるから、それ使ってんだ。オレンジもジュース使ってるし。手間はかかってないんだなー」


「へぇ……」



ちょっとドヤ顔なのがムカつくが、まあいい。



ちょっと勿体なく感じながらも、グラスの中に入っていたマドラーでよくかき混ぜてから口に運ぶ。



残暑が厳しいこの頃を忘れさせるような爽やかさだ。……うん、美味い。



パッと目を輝かせて、もう一口。



「お?お気に召しました?」


「癪だけどね」


「癪とか言わないで!」



うるさい如月は置いておいて、これ本当に美味しいな。




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