野良猫サーカス 2 【完】

★★ /逃げ、追いかけ、その手を掴んで。






むす、と頬を軽く膨らませながらご飯を口に含む。



「……いつまで膨れてるんですか」


「うるさい」


「いや、貴方の顔面のほうがうるさいですからね?」


お前は本当にうるさいな?



顔面がうるさいってどういうことだ潰すぞ眼鏡。



一発ぶん殴ってやろうと立ち上がりかけたが、来栖に「遼、行儀が悪い!」と叱られたためやめた。普通の母親みたいなこと言ってるぞ、おい。



眼鏡の馬鹿にしたような顔は本気でぶん殴りたいけど、これ以上叱られるという痴態をさらしたくないので我慢する。





午前の部が終わり、私たちは敵同士にも関わらず、校庭の片隅で一緒に昼食をとっていた。



私?如月の飯という言葉につられてつい着いていってしまったが文句あるのかこの野郎。



だいたい、如月の飯がうまいのが悪いんだ。私悪くないし。



……あ、このポテトサラダ美味しい。




黙々と口を動かしていれば、「そうだ、遼たん」と何かを思い出したように如月がこちらを向く。



ん?何だ?



「今普通にお弁当食べてるけど、遼たん自分で持ってきてたよね。ごめん。どうする?」


「……あぁ、別に気にしなくていいよ」


「え?」



何で?と首を傾げる彼らに、私はあらかじめもってきておいた自分のリュックサックを引き寄せて中身を探る。



えーっと。……あ、あった。これだ。




0
  • しおりをはさむ
  • 2159
  • 4881
/ 490ページ
このページを編集する