野良猫サーカス 2 【完】

★★ /反撃の狼煙を上げろ







「……さて、どういうことだか説明してください」



場所は変わって、一色たちの家。



目の前に座る藍澤の言葉に、私は強く頷いた。












あの後、一色に引っ張られるがままに校舎内に戻った私は、今度はきちんと昇降口から中に入った。



そこにはタオルを抱えた撫子と来栖、それから真剣な顔をした藍澤と酒井、心配そうに慌てている“青”の奴らが勢ぞろいしてて、思わず言葉を失った。



……何でこんなに集まってんの。



ぽかんと口を間抜けに開けた私に気づかず、一色は撫子に、私は来栖に思いっきりタオルで頭を拭かれた。ちょ、勢いありすぎて首がぐわんぐわんなってる。撫子なんか身長全然届いてないせいで足元プルプルしてるし。



それに気づいてか一色は少し頭を下げてあげていた。うん、そうしたほうがいいね。



『二人とも、雨の中飛び出すなんて馬鹿じゃないの!?馬鹿、馬鹿!毎回心配するこっちの身にもなってよ!』


『海音も遼も、もう少し考えてから行動しろ!』



タオルとともにお説教も降ってきたので、大人しくそれを受け入れた。今回ばかりは反論もできない。



……言わないと。



坂倉のこと、言わないと。



未だわしゃわしゃと暴れるタオルをどうにか制して、声を上げようと口を開いた。



『あのさっ』


『達樹が攫われた』



開いたのだが、淡々とした声に遮られて何も言えなかった。



……一色。



未だ掴まれた腕に一瞬力が込められて、それが「何も言うな」と言ってるように思えた。




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