野良猫サーカス 2 【完】

★★ /野良猫は笑う





Side:碧




きっと、俺はどこかで油断してた。



“青”は平和だから、何も危険なことは起きないって。



そんな馬鹿げた考えが頭の隅に会ったのだと思う。



その結果がこのざまだ。



「よっ、碧。準備はできたか?」


「……龍成さん」



後ろからひょいっと覗きこんできた龍成さんは、その赤い髪をふわふわ揺らしながら隣に立つ。



俺たちは今、達樹がいる倉庫のすぐ目の前にいる。



全員が配置に着くまで待機してる最中だ。その間にも“赤”の破落戸たちは容赦なく襲ってきている。が、それも予想済みだったため、近づかせないようにする部隊もちゃんと組み込まれていた。



そのおかげで、今俺たちがいる場所には“赤”の連中はいない。




ちら、と自分の前方に視線を向ける。



そこには海音さんと雪さんが最終確認を済ませているところだった。蒼空さんと千さんは別の部隊に組み込まれているからここにはいない。



俺たちは正面突破を図る、特攻隊だ。



「……達樹」



ギュッと自分の拳を握り締める。



今日。



最後にあいつと会ったのは、まぎれもなくこの俺で。



廊下ですれ違った誰かと話していたあいつは、俺のほうを振り向いて「ちょっと用事できたから少し遅れていくわ!」とにこやかに笑った。



それに俺は何の疑問も抱かず、送り出してしまった。



……あのとき、引き留めていればこんなことにはならなかったのかな。



そこまで考えが及ぶはずないとは理解している。普段の日からすべてを疑っているわけじゃないんだから。



それでも、どうしようもないことだとわかっていても、そんなことを考えてしまう。




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