ワケあり生徒会!【完】

第3章 /水面下

文化祭が中止になったと知らされたときの、校内のザワメキは思ったほど大きくは無かった。



「んー。しょうがないんじゃないかなぁ?だって紅明が動いてるんだし」



二ナやその他の女子も、当然だというふうに頷いている。

思えば、紅明の噂なんていたる所に転がっていた。


女の子を襲っただの、男性に暴行を加えただの、果ては薬物所持の話まで。

どれも一介の高校生が起こすものにしては、犯罪レベルが高すぎる噂ばかり。


今年この辺に引っ越してきた私より、紅明の危険性を三鷹の生徒はよく知っていた。

だからすんなりと文化祭中止の話は通ったのだけれど。


どことなく、沈みきらない熱気。

それはどれも男子生徒からのもので。

どこまで広がっているのかは分からないけれど、もう話は進んでいるんだと思う。



『紅明を潰す』



そう言ったスバルの言葉には、なんの揺らぎも無かった。

スバルだけじゃない。みんな。

誰一人、揺らいでなどいなかった。

取り残されたのは、私の感情だけ。

だって、

どうして揺らがないの。

ナイフだって普通に出してくるような人たちなのに。

笑って、女の子にナイフを突きつけられるのに。

そんな人たちと、喧嘩するんでしょう?

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