ワケあり生徒会!【完】

第3章 /月光下

部屋の中に月の光が満ちる。

その光がとても似合う広い和室の中。

かぐや姫がいたのなら、きっとこんな姿だったのだろう。

そう思うほど美しく着物を着こなした『彼女』。



「センタロウ。この報告は確かなの?」



赤い唇から紡ぎ出される甘い声。

芯のある、強い声。

この人は薔薇のような人だ。

とても美しく周りを寄せ付けるのに、容易く棘で撃退してしまう。

『女』というのは本来こういうものなのだと思う。

しおらしく、たおやかに見せておいて、内には鬼に住まわせる。



「ええ。この目で見てましたからね」



この人の『鬼』は、俺の知る限り最も恐ろしい。

手段を選ばない人だ。



「ふぅん」



にぃ、と口角を上げる。

赤が美しく弧を描く。

ちょうど今、窓から見える三日月のように。



「そうねぇ...」



どんな命令が下されるのか。

なんであれ、俺はそれに従い遂行するだけだけれど。



「まずは、全て調べて」


「全て?」


「そ。ぜぇーんぶ、よ」



楽しげに、俺の報告書をピラピラと振る。

なんてないという風に言う『彼女』。

妖しげに、キラリとその瞳が光った。

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