ワケあり生徒会!【完】
第3章 /朝目覚めれば
...寒い。
ここ最近寒くなってきているとは思っていたけれど。
本格的に寒い。
「うぅ...。学校行きたくない...」
嫌いなのだ。
嫌いというより、無理だ。
普通の生き物は冬眠する季節なのに。
その季節にスカートを履いて外に出ろ、なんて無理な注文だ。
そもそも布団から出られない。
外気に触れたくない。
もういいや、寝ちゃえー...。
と、目を閉じた瞬間に。
ピンポーン、と。
空気を読まずに鳴る玄関のチャイム。
...無理。
無理なのよ。
チャイムを鳴らされても寒いものは寒いの。
ピンポーン。
ピンポーン。
ピンポーン。
ピンポ、ピン、ピン、ピピピピピ...。
誰よ連打するの!
すごく五月蝿いんだけど!
「あぁもう!開けます!開けるから静かにして...っ」
ガバっと布団から出る。
出るけれど寒いから毛布を巻きつけたままで玄関のドアを開けた。
その向こうに立っていたのは、マフラーを巻いたリョウ。
「ちょっとリョウ!チャイム連打しないでよっ。五月蝿いんだからね!」
「はぁ!?迎えに来て待たされた挙句、なんで開口一番に怒られてんだ俺は!?」
総合ランキング4位獲得!(2013年02月)