ワケあり生徒会!【完】

第1章 /ラビット

真っ暗な部屋の中。ベッドに寝転びながらただただ宙を見つめていた。



『近寄らないで』

そう言ったのは、ほんの数時間前のこと。



また独りになって、ほんの少し、安心した。


このまま『彼ら』と一緒にいれば、なんだか殻を壊されてしまいそうな気がして。

一緒にいることが、当たり前だと思ってしまいそうで。

そんなふうに思っていた自分に笑ってしまった。




「未練がましいわね...」



こうある、べきだったのだ。初めから。

ほんの少しでも距離を縮めてしまう前に、仕事以外で近づかないようにすればよかったのだ。



電源を切ってしまった携帯は、暗闇の中でどこに置いてあるのかすら分からない。

新しく買った枕は、頭に馴染まず寝苦しい。


ふと浮かんだのは明日の事で。金曜日なのだから、もちろん学校のある日で。




「行きたくないな...」




誰にも会いたくない。

なんだか振り出しに戻ったみたいだ。

いくらサイコロを振っても、ゴールなんて出来ない。そう決まってる。


だってどう転んでしまっても、また戻るのだから。


家に設置されている電話が鳴り響く。

のそり、起き上がって、彷徨うように電話の前に立った。

ディスプレイに表示された名前は、



「...ソウヤさん、」



縋れることのない、彼の名前。

電光掲示される彼の名前をじっと見つめる。

見つめるだけで、どうしても受話器に手を伸ばせなかった。

邪魔になることは出来ない。

彼には、彼の生活があるのだ。

『助けて』なんて、

そんなこと言えない。



電話が切れて無音になった部屋をまた、暗闇が侵食しだしていた。

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