ワケあり生徒会!3 【完】

第6章 /結い目

寒い。

何を好きこのんでこんな寒空の下を選んだんだろう。

勿論選んだのは私じゃない。

私はむしろどこかの空き教室でよかったのに。



「ヒトミ、私の話聞いてないっしょ!?」



まぁ仕方ない。

決定権があるのはユカリ様なんだから、彼女が『屋上がいい』と言えば屋上になるのだ。



「はいはい、聞いてるわよ」


「うっわ何そのないがしろな返事」



カンっ、と甲高い音を立てて、ホットココアの缶を屋上の床に置く。

置く、というよりもむしろ叩きつけている。



「まぁまぁユカリちゃん。あんまり大きな声出すと先生にサボってるのがバレちゃうよー」



苦笑しながら注意する二ナの手には、ホットイチゴオレが握られている。

正直それを飲む人なんて皐月先生しかいないと思っていた。

前も思ったけれど、イチゴが温かいってどうなんだ。



「もうすぐ決戦の日でしょうが!」


「...なんの決戦よ」



残念ながら日本は間違いなく平和だ。

もうすぐ戦いなんて始まるワケがない。

はぁ、と溜め息を漏らせば、それさえもユカリ様は気に食わないようで。



「ヒトミっ!あんた女子高生としてそのリアクションは無いわよっ!」



理不尽な注意を受けてしまった。

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