君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)

【第4章】 /晩餐会Ⅱ

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(side:ロック)

「なぁ、頼むから血の海だけは止めてね・・・」


フローラの部屋に進む途中でヴァイスがボソッと言った。


「なら、フローラにニコルを近付けるんじゃねぇ」


「・・・努力いたします」


本当は、晩餐会になんて行きたくねぇ・・・


「・・・はぁ」


溜め息しか出てこない。


「一応、ホール内にはレイと騎士が5人。あとルイスも来るから何とか近付かないように見張ってる」


「・・・・・」


アイツにはあまり意味が無いと思うが・・


「あれ?兄さんとヴァイス?」


声の主に思わず顔を顰める。


「なっ!?二コルっ!」


ヴァイスが驚いた声を上げた。

前方からゆったりと歩いて来るのは弟のニコル。


---何でコイツが此処に居るんだ?


「何で、お前が此処に居る」


ニコルの部屋は東棟の3階にあって俺とフローラの西棟5階に来る用なんてない。


「まだ兄さんに挨拶していなかったからね」


何が挨拶だ。

この5階に来た事もねぇじゃねぇか・・・


「ただいま、兄さん」


にっこりと笑顔で言う弟に


「あぁ」


いつもの通りに返す。

いつもなら、これで終わってホールに向かう筈なんだが・・・

今日は俺の顔を覗き込んできた。


「と・こ・ろ・で、噂の美少女を何処に隠しているの?」


「・・・・・」


---何故、フローラの事をそんなに気にする?


思わず、ニコルを睨み付けた。


「何で、そんなに姫さんに会いたいんだ?」


俺の代わりにヴァイスが聞けば


「だって兄さんの大切な人なんでしょう?挨拶くらいしなくちゃね♪」


「挨拶なんて晩餐会ですればいい」


「えー?それは失礼かなって思ったから来たのに」


「姫さんは、まだ支度が終わってないから俺と先にホール行って待ってようぜ」


ヴァイスがこの場からニコルを離そうと話しかけた。


「支度が終わってないんじゃ仕方が無いね。その代わり後で、ちゃんと紹介してよね、兄さん?」


「・・・・・」


---誰がお前に近付けるか


「じゃあ待ってるよ!」


「王子、先に行ってるからな」


「あぁ」


前を行くニコルとヴァイス。

二人の後姿が見えなくなってから俺もフローラの部屋へ歩き出した。


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