君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)

【第5章】 /記憶

自分の部屋で寝ていた筈なのに今、俺が居るのは森の中・・・?

また、異界に入り込んだのかと思ったが、そうではないらしい・・・

異界とは明らかに空気が違う。


「ここはどこだ・・・?」


腕の中にいたフローラの姿も見えない。


立ち上がってきょろきょろと見回してみるが・・・

見渡す限り鬱蒼と生い茂った木々があるだけ。


道らしい道もないから、進もうにも何処に行けばいいのかわからない。


その時・・・


・・・ガサガサッ


後ろの茂みが音を立てて揺れ始めた。


---何かいる・・


そう、思った瞬間・・・


・・・ザザッ!


茂みの中から飛び込んできたのは大きな瑠璃色の狼だった。


「・・・狼」


よく見れば傷だらけで口元には血がつきフラフラだ。


その狼は俺を気にする事無く前を通り過ぎていく。


・・・ガサガサッ!


ちょうど俺の目の前に来た時、狼が出てきた辺りの茂みからまた音が聞こえた。


「シエルッ!!」


その聞き覚えのある声に振り向いた視線の先には、プラチナブロンドの長い髪を靡かせながら駆け寄ってくるフローラがいた。



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