真夜中の学校からは狼の遠吠えが聞こえる

第一章 /真夜中の遠吠え





アオーーーーン・・・・アオオオーーーン・・・・・


・・・・まただ。


あの夢は見ない。けれど、遠吠えだけが聞こえる。


「・・・・う」


椛原は汗で首に張りつく髪の毛を不快に思いながら、うっすらと目をあけた。


今は一体何時なのだろうか。そう思い、自分の頭の近くに置いてある目覚まし時計を手に取り、時間を確認する。


「12時・・・・・」


布団に入ったのはおそらく10時頃であったから、眠ってからまだ2時間しか経っていない事が分かる。


・・そもそも、ちゃんと眠れていたのかすら疑問だ。眠りにつけたのがいつだったかは分からないが、ずっとあの遠吠えが聞こえていた様な気がして眠っていたというよりただ目を瞑っていただけの様な気がして仕方ない。


水でも飲むか。そう思って汗ばんだ体を起こし、布団から出ようとしたその時、




・・・・・・アオオーーーーン・・・・・・・・・






「!!」


夢の中でいつも聞いているあの遠吠えが今、確かに遠くの方で聞こえた。


「え・・・・?」


椛原は思わず自分の耳を疑う。・・・・今のは幻聴だろうか。それとも変な夢を見過ぎているせいで、とうとう自分がおかしくなってしまったのだろうか。


・・・・それとも、今、ここは夢の中だったりするのか?





「・・・・いたっ・・・・・・」


思わず古典的な方法でここが夢の中がどうか確かめてみる。・・・つねっても痛い。それに夢の中にしては意識があまりにもはっきりとしているし、感覚もリアルだ。どうやらここは現実の様だ。



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