真夜中の学校からは狼の遠吠えが聞こえる

第一章 /遠吠えの正体




「・・・・やっぱり」


遠吠えが聞こえてくる場所に到着し、椛原の予感は的中していた事が分かった。


遠吠えのする場所はやはり、毎日通っている”学校”であった。


・・・現実で遠吠えが聞こえてきた時から、なんとなく学校のある方角から聞こえてくる気がしていたから、まさかとは思っていたが。


椛原の家から学校までは自転車でおよそ20分程度だ。電車通学を面倒臭がった椛原はわざわざ家から近い高校を選んだのだ。


学校の正門はさすがに開いておらず、椛原は裏門へと回る。


学校の裏門の建て付けがあまり良くなく、常に入れる事を知っていた椛原は裏門から難なく校内に入ると、自転車置き場に自転車を停めた。


「・・・・・・・」


薄暗く、まるでお化け屋敷の様な雰囲気を醸し出す学校を見上げて椛原は顔をしかめた。


夜の学校は近くで見るとさすがに不気味で、加えてあの時折聞こえてくる遠吠えが、不気味さをより増幅させていた。


椛原は覚悟を決めて、校舎内に入って行く。

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