真夜中の学校からは狼の遠吠えが聞こえる

第二章 /遠吠え、再び




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放課後、椛原が荷物を纏めて帰る準備をしていると、都筑がニコニコしながら大きな紙袋を持って駆け寄ってきた。


「椛原さん!昨日お話した通り、安眠グッズ持ってきましたよ!」


弾むような声で都筑がそう言うと、椛原の机の上に紙袋を置き、その中からいくつか安眠グッズを取り出すと、椛原に見せる様に手に掲げた。


「これは最新の安眠枕だそうです!で、こっちが良い香りのホットアイマスクで、これが・・・」


「す、すごい量だな」


都筑が持ってきた安眠グッズの量に圧倒されながら椛原がそう言うと、都筑は「はい!」と嬉しそうに答える。


都筑が自分を気遣ってくれる優しさにありがく思いつつも、ほんとにこれ全部くれるつもりなのだろうかと困惑していると、上から飄々とした声が降ってくる。


「うわすっごい量。何コレ安眠グッズ?」


その声に反応して椛原は顔を上げると、そこには通学鞄の手提げの部分をリュックの様にして背負い、今まさに帰ろうとしている稲月の姿が目に入った。


「ええ、椛原さんがたまに変な夢を見るとかで、眠れない日があるそうなので、その対策にと」


稲月の言葉にどこか誇らしげに答える都筑が可愛く見え、椛原の口元がほんの少し緩む。


稲月は安眠グッズを見渡すと、「ふーん?」と適当に呟く。


「どれも効きそうだねぇ、でもこれ全部使ったら安眠しすぎて毎日寝坊したりしてね?」


「椛原さんは寝坊なんかしないわ」


都筑は稲月のからかいに堂々とした態度でそう言うが、椛原は内心「たまにはするんだが・・・」と思いつつ苦笑を浮かべた。


「・・・・そ?ま、いーや。じゃね〜」


稲月が機嫌良さそうにヒラヒラと手を振って立ち去ろうとするので、椛原は思わず声を掛ける。

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