生徒が誰一人として近付かない

落書きだらけのドアの向こうにアイツらはいた。






「…お前、本当ナマイキ。」






不貞腐れてるアイツのオレンジ色と、

その隣で笑ってるアイツのミルクティー色の髪。






「……あっぶねー…」


「?」


「キスしそうになった」


「!」






眩し過ぎる照明と、沸き上がる歓声。


あたしは、瞬きすら忘れてアイツだけを見つめた





2013.10.8~2014.1.5