女組長!

序盤 /澪side





カコ・・・-ン




鹿脅しの洗練された音がこの和室に響く。




それはこの和室からも見える中庭で、一定のリズムで奏でていた。





和を強調する畳に、黒い光沢を放つ高級感溢れる座卓、それに相応しい和座椅子。




私はそこに、制服姿で座っていた。






その光景は、自分でもあまり見たことのない風景で、これからくる人のリアクションに恥ずかしい想いがあった。




これじゃあ、見た瞬間に高校生の小娘だって分かるじゃない。





この時点で、認めてもらえなかったらどうしよう。





そもそも、こういうことって会話の中で少しずつ話して、理解してもらうっていう方向が一番いいと思うんだけど。




....いや、でもそれでも認めてもらえなかったら...。





いやいやいや、そもそも認められる認められないじゃなくて、もう"組長"になるんだから。





これはただの顔合わせであって、別に嫁の義父に自分を紹介するみたいな緊張感はいらなくて




「澪お嬢様。」




突然の後ろからの低温ボイスに、私の心は一瞬ビクッととび跳ねた。

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