歌舞伎町の女王

中盤 /筆者side



ガラスが一面に張られた黒い部屋。




月の光だけがこの部屋を照らす。




窓側には、黒光りするチェアと光沢のある長い机が一つ。




その二つだけが置かれたこの部屋は、どこか冷たさを含む雰囲気を漂わせていた。



そんな中に、たたずむ一人の男。




男はタバコを咥えながら、ガラス張りの向こうにあるネオンで満たされた街を見下ろしていた。




二、三回男が口元の隙間から白い息を吐き出した後に、この静かな部屋に一つの音が響いた。




コンコンと鳴らされたドアへと男は目を向ける。




「サユリさん?」



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