Freedom -first- 【完】



「何が解んねぇんだよ、質問はっ!?」


夏樹さん、食べかけていた串を乱暴にお皿の上に戻した。

てか、てかね!?

「ぜ、全部!極細が太く育ってこま???ポンがお風呂に入って金さんが三下さん……で、えっと……」

ショ、ションベンは、おしっこだよね!?

それは解った!


「はぁぁぁぁあああ!?」



初めて出た社会は、知らないことばかり。

(水商売を社会と思っている)

夏樹さんの言ってることも、ほとんど理解できない。

(ヤクザ用語と一般用語の違い)

結構真面目に大学に通っているのに、学費無駄にしてるのかも?

(勉強内容の根本が違う)

私は何も知らないダメ人間らしい……。

(知る必要のないことばかりと、気付いていない)


なんだか突然泣けてくる。


「えっ!?おいっ、な、泣くなよ!?」

私は別にぼろぼろ泣いてるわけじゃ無かったが、涙が滲んでいた。

「お、俺そんな酷ぇこと言ってるか!?」

「夏樹さんが酷いことを言ったかも解らないから、バカな自分に泣ける」

悲しくて泣きそうなわけじゃない。

なんだか、凄く疲れてた。


全部自分の勝手で選んだ結果だということは分かってる。

苦労の1つも今までしたことが無い甘ちゃんなんだろう。

それも自覚済み。

でも、それでも新しい1人暮らしの生活、

寝不足で通う大学、

知らないことだらけの仕事、

その仕事に怒ってる彼氏、

続くお母さんの兵糧攻め。


私は自分で思っているより、いっぱいいっぱいだったらしい。


急におばぁちゃんが恋しくなった。

おばぁちゃんのご飯が食べたい。

一緒に笑ってTV見たい。

お買い物行って、宇治金時半分こして……。



あの頃に戻りたい――…。




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