Freedom -first- 【完】

First /二人暮らし


私は自他共に認める平凡な人間。


平凡な家族+猫1匹に囲まれ、

平凡な中流家庭で育ち、

平凡な中学生活を送っていた。

名前までアキコとか、どこまでも平凡過ぎる。

(ちなみに見た目も平凡)

受験を終え平凡な高校に合格し、また平凡な生活が続くんだろうと思っていた春休み。突然、離れて暮らすおじぃちゃんが亡くなった。

ゴルフやビリヤードを楽しみ、パイプタバコにハットを被る粋でセンスのいいおじぃちゃんだった。

確か亡くなったときは、92歳だった記憶がある。

俗に言う大往生。

ただ、年老いたおばぁちゃんが1人暮らしになってしまった。

お父さんとお母さんは、私達の家に引越して一緒に住むことを提案したが、おばぁちゃんはおじぃちゃんとの思い出の家を出て行けないと言った。

私の家族はまだ小学生だった弟のこともあり、おばぁちゃんの家には引っ越ない。

平凡家庭で開かれる家族会議。



「アキちゃん、おばぁちゃん子でしょ?」

母の確信めいた一言がきっかけとなり、父、弟、家族の視線は私に集まった。


――そして、天下無敵母の決め台詞。


「あんた、おばぁちゃんと一緒に暮らしてあげなさい」


「えっ!?」


母の横暴さに、驚きと戸惑いを捨てきれないまま――、

私の引越しは、あっという間に終わっていた。



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