Freedom -first- 【完】

First /横暴、我が侭、ドS。でもやっぱイケメン


重ーーーい足取りで、お店から出ると階段の下でタバコを吸っている夏樹さんがいた。

私に気付いて、睨む。

な、何で!?


「遅せぇ」

「……すみません」

私、謝んなきゃいけないことしたっけ!?

「行くぞ」

タバコを揉み消し、歩き出そうとする夏樹さん。

「ちょ、ちょっと待って下さい。何処行くんです……か?」

そうだ。

何処に行くとも聞いていない。

知らない人に付いていっちゃだめだって、子供の頃おばぁちゃんに何度も言われたし!?

「メシ」

「……?」

メシ?ご飯?

「な、何で?」

「はぁ?腹、減ってるからだろ」

いや、そういう意味じゃなくて。

何で私を誘って、わざわざ外に食べに出るんだって聞きたいんだけど!?

「げ、源さんのまかない食べればいいじゃないですか?」

私の言ってることは正しいよね?

ぬか漬け、食べればいいじゃん。

(どうしても、諦めきれないらしい)

夏樹さんは面倒くさそうに、二本目のタバコに火をつけた。

「仕事終ってまで、俺が店にいると皆嫌だろ」

あー……。

それは、確かに?

へー?意外に従業員に気を使ってんのか?

「それは、そうですよね?」

「…………」

あ、やば。

私、思わず認めちゃった。

「……行くぞっ」

「は……い……」

何となく断るタイミングを逃した。

私に歩幅を合わせようともしない夏樹さんは、何処へ向かうのかさっさと1人で先を歩く。

その後を私は小走りに付いていく。

一軒のお店の前で、夏樹さんが後ろにいる私を振り返った。

でも無言。

早く来いとでもいったように、首だけ振る。


本当、この人って……、


横暴だっ!


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