Freedom -second- 【完】



夏樹さんも、渋い表情で牛丼を食べ始めた。

本当、この人楽しいとか嬉しいとか美味しいって感情を表に出すの下手だ。

ホテルでは楽しそうだったけど……。



「いいじゃないですか」


「何がだよ?」


私は卵かけご飯に幸せを感じながら、夏樹さんに笑顔を向ける。


「私はまんまの夏樹さんを受け入れるつもりだから、夏樹さんも私を理解して下さい」


一般人がヤクザを受け入れる。


難しいかもしれないけど。


でもそこから始めないと、表面上だけの付き合いで終わってしまう。


そんなの嫌だ。



「俺はかなり努力してっぞ!?つか、お前に譲ってばっかだろがっ」


「アハハ。そう思います」


うん。


これからもっと私達はお互いを理解できると思う。


一緒に並んで食べる牛丼。


こんな、普通の牛丼だって2人の記憶に残るんだよ?


これからも――…、


ちょっとした会話で笑い合って、時には喧嘩もしたり、私は泣いたりもするかもしれない。


でもそんな小さな出来事が積み重なり、二人の共有した時間が互いへの想いとなってゆく。


夏樹さんは気付いてないんだろうか?



それが、普通の恋愛だって。






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