Freedom -third- 【完】

Freedom -third- /夏休みの幕開け



――…私の夏休みは散々な幕開けとなった。


夏樹さんにフラれたことから始まり、



今、



私の部屋の隣、



麩一枚隔てて、



熟睡している――、



翔と、



健太。




昨日あれから更に頼みに頼み込まれ、どんだけ断っても一歩も引かない健太に、


結局私は夏の間だけという条件で折れてしまった。


いや、決定的だったのは翔がクゥン、クゥンとずっと悲しそうな声で鳴き続けたことだ。


それに……、


翔しか信用しないとかまた健太が妙なこと言い出したのも原因の1つ。



「健太っ。私今日から昼割烹屋で夜もまたお店だからね!?」



「あー、うん……」


翔を抱きしめながら、まだ寝惚けている健太がウザイ。


「健太が仕事行く前に翔は裏から外出して、ちゃんと戸締りはしてよ!?私が帰って来たら中入れるから」


「……はーい」


もう本当に不本意だったけど、合鍵も渡した。


そして、健太は昨日本当におばぁちゃんのお仏壇に向かって、ちゃんと説明をしていた。


部屋は沢山あるから、そこは問題無いけど。


おばぁちゃん突然の来客に、かなりビックリしただろう。


私もちゃんと報告しといた、


コレは女友達だからね!?


って。



ハァ……。


色んな溜め息が混じる。


これから割烹屋に行くのも、混じりあった溜め息の1つ。



夏樹さん……。





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