Freedom -third- 【完】



二度寝を決め込むアホと、

外で飼われてたとかいうわりに、何の迷いもなく気持ちよさそうに布団で寝るイケメン犬を横目に家を出た私。


何でこんなことになってしまったのか。


暴風雨のように、私を巻き込むアホにほとほと呆れた。


でも……、


そのアホのせいで昨晩は、夏樹さんのこと思い出して落ち込む暇も無かったのは、確か。


偶然とはいえ、昨日アホとばったり逢ってなかったら、もしかするとまた1人で苦しんでたかもしれない。


ブツブツと電車の中でそんなことを考えていたら、


割烹屋に着いていた――。


元々昼間に夏樹さんが来ることはないと分かっているのに、妙にドキドキする。


ソーッと入口のドアをあけ、中をまず伺う小心者。


「おはよー……ございます……」


「おー。亜美ちゃん!」


厨房で仕込み中の源さんが、顔をくしゃくしゃにして笑った。


なんだかホッとする。






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