Freedom -fourth- 【完】



家に着くと、健太はまだ帰って来ていなかった。


いや、それが普通か。


私は翔を預かっているのであって、健太は翔の面倒を見るために私の家に立ち寄ってるだけだ。


今日はお店の親睦会、明後日は仕事が始まる。


そのまま寮に帰ったんだろう。


「翔、遅くなってごめんね?おいで」


裏口を開けて、待ってた翔の手足を濡れたタオルで拭いてあげた。


”――俺、翔しか信用しない”


何を言ってんだ?と、聞き流してしまった健太の言葉が、

寂しく辛い本心から発せられたものだったと、

今になって、やっと気付いた。


高校時代、毎日のように散々ツルんでたヤツらが、今更健太がホストってだけの理由でハブるとか。

20歳にもなる男達のクセに、ガキの発想にも程がある。


そこに直也も混じってることが、本気で腹立たしかった。


誰が健太のこと悪く言っても、直也だけは絶対裏切ったりしないって信じてた。


独りになると、何か悔しくて涙が滲む。


健太のアホッ。


何で私に言わなかった!


格好付ける間柄じゃないだろ!


ハブられんのなんか、なにもダサくない。


ハブるようなヤツらが男としても人としてもイケて無いんだって、ちゃんと分かってる?


「翔……、健太はイイやつだよね?」



健太の名前に反応した翔がソワソワと辺りを見回した。

ずっと健太の傍にいた翔が証明してる。

こんなに、健太を信頼して信じてるんだ。



それが本当の健太だって。





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