Freedom -fourth- 【完】



逃げ込むように家に入り、玄関の鍵をしっかりかけた。

何だかまだ怖かったから。


おばぁちゃんっ、クマちゃんっ!!!


仏間に一直線、お仏壇を開いて心の中で『超怖かったっ!もう絶対あんなとこ行かない、無事家に帰してくれてありがとうっ!』と、叫んだ。


すると外から、ワンッと翔が吠える声が聴こえ――…、


あ!


翔外に出したままだった。


私が帰宅したことに気付いたんだろう。

勝手口を開けると、いつも通り翔がお座りをして尻尾を振っている。


――健太は出勤時間なので居ない。


もしまだ家に居たら、今日あったこと全部言ってしまってただろう……。


居なくて良かった。


洗いざらい話したら――…、


夏樹さんのこと、絶対反対される。


関わるなって言われるに決まってる。


”関わるな”


長瀬さんさえそう言ったんだから……。


あの人こそ、龍黒会のヤクザなのに。


翔を家の中に入れると、また私は仏間に戻り、しばらくの間おばぁちゃんとクマちゃんの傍から動けなかった。


握ったままの携帯は、鳴らない……。


何だかまた泣けてきそうだったので、そのまま涙も一緒にシャワーで流してしまおうと、やっと立ち上がりお風呂場に向かう。


「翔、お風呂入るからちょっと待っててね」


脱ぎ捨てたドレスは――…、


夏樹さんの買ってくれたお気に入り。





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