Freedom -sixth-【完】

Sixth /出陣!




…――手が震える。



今、私は銀行の窓口で30万程受け取ったのだ。


30万。


そう、30万。


福澤諭吉さんが、30人。


30人の諭吉っつぁんが、私を見詰める。



『亜美よ……、日本国における最高額紙幣、私の重みを感じているかい?』(×諭吉っつぁん30人)


う、うん!お、重いよ諭吉っつぁん!!!


『100円のケーキなら、3000個(税抜き)買えるのだぞ?』(×諭吉っつぁん30人)


さ、さ、さ、3000個もケーキ買えるんだ(税抜き)!!!?


1日、3つ食べたとして……、1000日!2年2ヶ月毎日ケーキを食べ続けられる!!!


『そうだ。今一度問うぞ?お前は本当に、ケーキ3000個分の私を手放せると言うのか?』(×諭吉っつぁん30人)


手の震えが全身の震えに変わろうとしている。


諭吉っつぁん30人の言い分は最もだ。


だが!!!


私はやり遂げなければ成らない。


ケーキ3000個(税抜き)と引き換えにしたとしても。



「さらば!諭吉っつぁんっ!!!」



決死の覚悟で、30人の声を鞄の奥底に沈めた――…。


よし!



出陣だっ!!!



馬を引けぇいっ!


ではなく、普通に1人電車に乗り込む。


甲を持てぇいっ!


ではなく、夜会巻きにサイドは派手な筋盛り。


鎧を持てぇいっ!


ではなく、紫さんに真っ白なスーツを借りた。

(若干キツいのは言うまい)


普段のツインテールのくりくり盛り髪やペラいワンピースでは無く、私なりにバシッと気合を入れているつもり。

(スーツが若干キツいのはともかく)


そして武器となる刀は――…、諭吉っつぁん30人。



敵陣に乗り込む武装は全て整った。



いざ、参らん!



桜城!!!

(スーツ破けませんように……)









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