Freedom -sixth-【完】

Sixth /在り続ける



――年々、月日が経つのが早くなっているような気がする。


小学校の頃は、1週間さえ長く感じたのに。


夏樹の20歳を祝い、春だなぁなんて思っていると、あっという間に初夏を迎えようとしていた。


私の生活はお店中心となり、自分が夜の街の住人なんだと改めて思う。


何百件ものお店が犇めく繁華街――、


煌びやかな光に照らされる華やかな世界。


色とりどりのドレスを身に纏う蝶が、優雅に飛び交う。


夜を彩る極彩色に魅せられ、惹き寄せられる人々の群れ。


そんな夜蝶を餌とする――夜鴉も健在。



「こんにちはー。何処行くの?1人?待ち合わせ?友達?」


表通りを歩くと、必ずホストの1人や2人から声が掛かる。


時には、他店のキャバクラや風俗店のスカウトまで。


昔はそんな雑多な街中を、戸惑いながら歩いていた。


夏樹によく“ふらふらすんな”“真っ直ぐ歩けっ”“ボーッとしてんじゃねぇ”なんて、暴言吐かれてたっけ?


今となっては、そんな言葉も懐かしい。



「仕事。急いでるから」

「あ、これから店?店何処?何時に終わるの?」

「急いでる」

「ごめん、ごめん。怒ってる?店終わったら遊びにおいでよ?うちの店、すぐそこ」

「遅刻する」


大通りに立つ各店舗のホストを振り切りながら、――シャキシャキ、お店に一直線、キリッと歩く。


慣れたもんだ。


ただその光景を見るたびに……、


健太が気になる。


涼君の一件と夏樹の不安定さもあったから、もう随分長い間健太との連絡をお互い取っていない。


イソギンチャクは健在だろうか……。


まさか余りにもコロコロ髪型変えすぎて、ハゲてたり?


一度、健太はもの凄い髪型にしたことがある。


サイドの髪をコーンロウに編み上げ、半分自毛とアホみたいな色のエクステを混ぜ込み、クソ長いブレーズをわっさーと垂らしていた。


ホストというか、サンバでも踊り出しそうな!?イソギンチャクの仮装大会かっ!?って程に、


あれは酷かったと思う。







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