Freedom -sixth-【完】



「もしもーし?ただいまー」


『亜美ちゃん!良かった、帰って来てた』


何故か山ちゃんが焦ってる???


はい?


「明日ちゃんと出勤するよ?」


『その前に出口さんに連絡した方がいい』


出口さん?


ん?


あ!


「私が休んでる間何かあった!?彩太が出口さんと喧嘩したとか!?」


『出口さん、ここ一週間来店されてない』


来てない?


あぁ。


まぁ、私休みだったし。


「うん?」


『今月始め頃、4回ほど来店してるでしょ』


「あー、ちょっと待って」


リビングの棚に置いてあるノートを引っ張り出す。


……こんな綺麗に並んでたっけ?


ま、まぁいい。


今月の出口さんの来店を確認すると……。


『18万の売り掛け残ってる』


私より先に山ちゃんが、金額を言った。


「あ、うん。出口さん、毎月末に纏めて支払ってくれるから?」


『あと4日だけど、大丈夫?』


出口さんは私がFriendsで働き始めた頃から指名してくれる、信用あるお客さんの1人。


毎回ツケにはしているけど、月末25日前後には支払いを兼ねてお店に必ず来てくれる。


「大丈夫だよ?今週、私が休んでたから来なかっただけでしょ?後で、ただいまメール入れとく」


『ならいいけど。亜美ちゃん、売り掛け未回収だと……』


知ってる。


指名客からのツケの回収は、ホステス個人の責任。


要するに、出口さんの支払いが遅れると……、


私が被ることになる。


「出口さんだしね。大丈夫だって」


私だって、誰でも売り掛けにしてるわけじゃない。


信用のあるお客さんだけだ。


電話を切り、一応お客さん全員に“お休み頂きありがとうございます。帰って来ました。バリ島のお土産持って、明日から通常出勤です!”と、メールを打った。


森森からは、1分も経たないうちに明日早速お店に来るとの返信があり、中野さんや小島先生からも、おかえりメールが来た。


少し遅れて、数名のお客さん――最近、出口さんと個人的に仲良しになっている浜もっちゃんからも。


然程気にすることもなく、彩太やお客さん用のお土産を小分けにしていると、


夏樹が帰宅した。








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