Freedom -sixth-【完】

Sixth /繋がり



「……――――」


無言でテレビから流れる映像を見詰める夏樹の表情は――険しい。


「や、やっぱり……、イスラム過激派って……」


「お前、夏前か――その後に行くつって、最初迷ってたよな?」


「…………」


旅行代金が高かったのは、7月、8月。


だから当初、紫さんと予定していたのは6月――もしくは、秋。


売り上げの落ち込む8月が明けたら、やはり9月はお客さんの戻りを考えてお店は休めなかったかもしれない。


そうすると、もし6月にバリ島へ行っていなかったら、必然的に10月頃の予定になっていたわけで……。


ニュースで詳細が報道されるたびに、ますます夏樹の表情は強張っていた。


「もう少し慎重によっ、考えてから行動してくんねぇか?お前も、紫もだっ」


「――ごめ……ん」


夏樹が怒っているのは、私や紫さんを心配してのこと。


「当分――海外行くのも止めろ」


「…………」


「返事しろ」


「……うん」


乱暴にタバコを灰皿に押し付け、もみ消した夏樹。


これだけの惨事を見れば、そんな言動も当然で……。


「…――お前、俺に長生きしろっつったけどな。誰でも明日死ぬ可能性はあんだよっ。お前もだっ」


私が死ぬ可能性――…。


「う……ん……」


「――――…」


「この前――…、夏樹言ってたでしょ?」


「……何がだ」


植物園で――…、


「死んだら無になるって。亡くなった人に感情は無いって……」


「……だから、何だ」


「それでいいのかなって、今、思った」


「…………?」







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