Freedom -sixth-【完】

Sixth /新たな生活




お父さんから掛かって来た電話――…。


建て替えているおばぁちゃん家の、工事終了予定の目処が立ったという。


私も言わなきゃいけないときが、やって来たってわけだ。


電話越しにマンションを契約したと報告するのは気まずくて、昼間ランチを兼ねてお父さんと逢うことになった。



それが、思いもよらぬ展開に発展してしまったわけで――…。


平凡とか、


普通とか、


常識とか、


そんなのは、人それぞれ違う。


ようやく私もそういうことが理解出来始めていたんだけど。


待ち合わせは、お父さんが働く本社オフィスビル。


来るのは初めてだった。


大きなビルの入口、ロビー正面の受け付けには綺麗なお姉さんが2人程座っている。


何台もあるエレベーターの扉は引切り無しに、開いたり閉まったり。

そこから、きちんとスーツを着こなしたビジネスマンやお洒落な制服に身を包む女性、

いかにもキャリアウーマンって感じの、洗練された洋服を着こなす女の人が忙しなく出入りしていた。


私も昼職だったら、こんな感じになるのかな……なんて。


受け付けからの内線ではなく、直接お父さんの携帯に電話をかけ呼び出した。


「もしもしー、今、下のロビー着いた」


『お、早いな?すぐ行くから』


もうすぐ50代を迎えるお父さんだけど、そこそこイケてるオヤジだと私は思っている。


小学校から大学まで野球を続け、今でもOB会の集まりで試合をしたり、社内のソフトボール大会、ゴルフやボーリングも好きだ。


40代後半にしても、まだ運動神経が抜群に良い。


何で、私がこんな鈍臭いかと言えば……、残念ながらそこはお母さん似だからだ。


そんなお父さんの目下の悩みはというと、50代でハゲるんじゃないかと本気で心配していることらしい。


私からすると、可愛い悩みでちょっと笑える。

(本人は結構マジ)







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