Freedom -final-

Freedom-final- /止まったままの秒針



徐々に高度の下がる機体は、雲の合間へと差し掛かる。


機内の小さな窓から見えていた青い景色が、霧がかったかのように霞んだ――…。



――――――……。


此処……は……。


あぁ、温泉に来た……んだ……夏樹と……。


…――今……何……時……?


朝……?


昼……?


夕方……?


時……間の……感覚が……。



「……――ん」



鼻腔に触れる微かな――香り。


何だか凄く安心する。


薄ら目を開けると――…。


「……――――」


「…――……?」


薄暗い部屋の中、ぼやけた視界に浮かび上がる――、


夏樹の姿。


寝転びながら煙草片手に、何故か私を無言で真っ直ぐ見詰めていた。


私もぼんやり夏樹を見つめ返す。


――――……?


カシャ――。


あ。


「……惚けたツラ」


また不意打ちで写メ撮った!?


え!?


携帯画面に目線を移して、夏樹は口角を上げる。


「な、何で!?」


「……面白ぇツラだったから?」


旅館に来てから、ずっと夏樹がちょっと変だ。


いや、かなり変。







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