Freedom -final-

Freedom-final- /過去と現実の在る場所



「…………」


私達……。


1年ぶりだってのに、まだ“毛”の話しかしてないよね……。


え。


何、この感じ。


私は夏樹の背中を追いながら、妙に緊張していた。



電話でも夏樹は――…、


いや。お互い、確信に触れるような会話を敢えて避けていたかもしれない。



“……いつ戻って来んだ?”


“あ、あの、夏樹!?”


“……男……できたか?”


“な、何言ってんの!?は?そんなわけ無いでしょっ!?”


“…………”


“も、もしもし!?”


“……戻って来ねぇの?”


“……戻るって……――日本ってこと?“


“……あぁ”


“――……一応、今月末から休みには入る……、けど……”


“……――――”



何も言い訳しない。


何も説明しない。


何も確信を与えてくれない。


……狡いと思った。


それでも、声を聞きたい、逢いたい、もう一度――と望んでいたのは……私だ……。


“……戻るって……、何処に……?マ、マンション引き払っちゃったじゃん!”


マンションと付け加えたのは、建前で――。


本音は違う。


“私が戻る場所”を夏樹の口から聞きたかった。


でも――…、


“……用意する”


私の望んでいた答えとは違った――…。


それでもまだ自分の目でもう一度確かめたいと思ってしまったのは、やはり間違いだったのだろうか――…。







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