Freedom -final-




「先進むって決めたの亜美さんじゃんっ!だから店も辞めたんだろっ!私ら止めても、自分で決心したんだろっ!」


ご、ごもっとも。


だ、だけど!?


「あ、彩太、あの…………」



「そういう亜美さんのこと、男全部、分かってんのかよっ!マジあん時亜美さん大変だったの知ってんのかよっ!!!ちゃんと亜美さん納得するくらい謝ったのかよっ。都合よく無かったことに出来ねぇしっ!させんなっ!!!」



彩太のくっきり二重の大きな瞳が、暴言を吐くたびに潤んでゆく。


紫さんの涙とはまた違う感情で、私を想ってくれてる――。


夏樹から電話が無ければ、今頃、彩太が私の留学先の国に遊びに来ている筈だった。


「……ごめん」


「亜美さんに謝って欲しいわけじゃねぇからっ!そうじゃねぇしっ」


分かってる。


分かってんだよ、彩太。



夏樹との未来をまだ期待してくれる、紫さん。


過去から先に進んだ私を応援してくれる、彩太。


相反する二人の気持ちを同時に受け入れるのは無理だ。


ここで健太にまで帰国していること知らせると……。



感情が揺れる。


何を選択すれば、どうすればいいのか迷う。


帰国してから、ずっと同じ。


堂々巡り。


もう自分らしさが何かも分からなくなり、見失っていたと思う……。



この日が境だったかは定かじゃないけど、次第に私は夏樹との関係に早く答えを出さなければいけないんだ、と。


先を、将来を、未来を――結果を……。


焦り始めていた――。







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