Freedom -final-



久々に少しお酒が入っているからか――、夏樹と二人きりになると感じる妙な緊張感は薄れていた。


「今週はちょっとお店の方顔出すけどさ?来週末は旅行だもんね?」


「あぁ、だな?」


夏樹が普通に頷いてくれたことに、ホッとする。


疑ってたわけじゃないけど、少しだけ不安だった。


本当に夏樹は旅行に行く気があるのかって――…。


「長野か岐阜だよねぇ?」


「土曜の夜出て、俺、日曜の夜中にはこっち戻んねぇといけねぇんだけどよ……、それでもいいか?」


遠まわしに、ゆっくりは出来無いと言ってる。


夏樹……、本当は忙しいのかもしれない。


無理してくれてる?


「あ、うん?日曜の朝滑って。お昼すぎに、温泉でも行こうよ?」


帰りに美味しいご飯でも食べて――、


それで充分だ。


「……あぁ」


「私、ボードレンタルしなきゃ無いんだよねー」


「そうか?」


・・・・・・・・。


健太の家にスノボグッツ一式置いてあるんだけど。


取りにはいけない。


そんなこと、夏樹にわざわざ説明する必要もないか……。


何気無い会話を交わしながら、私は向かえのソファーに座ろうとした。


夏樹の横を通ったとき――、


立っている私の目線から、丁度夏樹の短くなった髪の旋毛が見え、同時に開いたシャツから綺麗な首筋と鎖骨が見えていた。





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