仮面の下の素顔 【完】



「君、名前は?」


彼女は私の瞳を見つめていた。



だけど、分からない。



私には彼女のことを知らない。



ヘーゼルナッツ色の瞳が私をみて離さない。


「…あんず、です」

「あんず?…へぇ、可愛い名前」


君にピッタリだね。


またもやヘーゼルナッツ色の瞳が歪んだ。




「じゃあ、時間だから。またね、あんず」


微笑む彼女はそう言って歩いていく。






薔薇のように甘い香りが彼女が去っても私の鼻腔を掠めて離れてはくれない。




あの人は一体何者なんだろう。








考えても考えても今の私にじゃ答えを出すことは難しかった。









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