仮面の下の素顔 【完】

three /虚心








見慣れた景色、他の家よりも広い建物を前にすると身体がいつも重くなった。


行きたくない、帰りたくない、会いたくない、って拒絶反応するかのように鳥肌がたって、足が竦む。




嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ怖い怖い怖い怖い怖い怖い、…逃げたいッ。



…だけど、そんなの許されやしない。


どう足掻いたってどう逃げ出したって僕の地位は変わりやしない。


"篠井琲里"という呪文のような呪いは一生付きまとうのだ。



そんな憂鬱な気持ちを隠して今日も今日とて大きな門を潜った。


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