仮面の下の素顔 【完】

one /人生











私は新しい名前を貰ったとき、運命かと思った。



「───ず、…ん」



こんなにも近い名前になるなんて思ってもいなかった。



閻魔様が仕組んだのか、それとも───。



「あんず!起きなさいっ!」


「ぐわぁっ!…っ〜!!」


ガバッと布団をひっくり返されて私はベッドから床に顔面から転ぶように落ちた。



「…っ〜〜!」



ドシン!と重い音が部屋に響いた。


全体重が顔に集まったせいで、声を出せず顔面を手で抑え悶える。



「もうっ、朝っぱらから何やってるのよ!寝坊するわよ!」


「してもいいの?!」と仁王立ちし、ギロりと私を見下ろすのはマイマザー。アコちゃん。



「…っいったいよ〜、アコちゃん…。雑過ぎだ…」


「なぁに言ってんの!何度も起こしたのに起きないアンタが悪いんでしょ?!入学次の日から寝坊だなんて馬鹿ねぇ」



アコちゃんは、私の正真正銘のママであるが、"ママ"とあんまり言われたくないらしい。なので、私は亜子という名前のママをアコちゃんと呼ぶことにしたのだ。



「えっ、…」


鼻を擦りながら、アコちゃんのことを涙目で睨みつけていると、そんな大切なことをアコちゃんは言ってのけた。



あ…。


寝起きだからか、動かない脳みそをフル回転し、そして思い出す。



「ぁああ!今日学校だぁあ!!」

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