棘のある果実

第一章 /個性






「あれぇ、もしかしてもしかしなくてもつぐみだよな」


玄関先から現れたのは呑気なそんな声だった。



朝、いつものように聖くんを見送ったあたしはシャワーを浴びて珈琲を沸かして呑気にテレビを見ていた。



昨日、気づけば寝ていたみたいであたしは帰った服のままベットにダイブしていた。本当に我ながら女失格だと思う。


化粧は家から持ってきただけだから化粧していなかったから良かったけど。


聖くんに申し訳なくなる。


そのことを謝れば、ティーカップに口付けたままあたしをじいっとみると目を細めた。


「気にしてないよ」

いつもより優しく、和らいでいるのはあたしの気の所為かもしれない。







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