棘のある果実

第一章 /独占


「…」

「つーちゃん?」



ぼーっとしていたのか聖くんは頭にハテナを浮かべながら首を傾げた。あ、その表情凄く可愛い…、だなんて思ってハッと我に返った。


そうだ。


今は、カオくんが居なくなって何時間かたった頃、聖くんは会社から帰ってきた。


やっぱりスーツ姿の彼は朝でも夜でも一段と輝いていて思わず目を逸らしちゃったよね。あーしっかり目に焼き付いとけば良かった。



そう思っていれば、


「これからほぼ毎日見るんだよ?」


だなんてちょっと小馬鹿にしたような、爽やかな笑みを浮かべながらネクタイを解く聖くんと言ったら、爽やかの中に妖艶さもあった。







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