棘のある果実

第一章 /嫉妬




訪れたのは一流レストランだった。


「…わぁ」

「そんな首上に向いていたら痛むよ」


思わず目の前に佇む何十回建てか分からないビルを見上げていれば、カオくんが長い脚を優雅に動かして歩いてきた。


周りを見ればコソコソと彼の話題をしているのを耳にした。


「えっ、見てよ!あの人かっこいいっ!」

「ほんとだっ、背も高くてスタイルもいいじゃんやばっ」


やっぱりカオくんはかっこいいんだなと思った。



確かにタキシード着ていて様になっているし隣に並ぶとあたしがとてもみすぼらしいんじゃないだろうか。


…今更不安になって俯いた。


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