棘のある果実

第一章 /再会




珍しく愛美お姉ちゃんから連絡が来ていた。

お姉ちゃんはあたしのことを心配してくれている。本当に出来た姉だと思う。


「いらっしゃい」

「お邪魔します」

お姉ちゃんと学さんの新居は、都会の高層マンション。…うん、さすが学さん。

妹からしてもお姉ちゃんはいい人を捕まえたと思う。


「学さんは?」

「んー…仕事よ」


白で統一されたリビングはそれはそれはホテルルームみたいに綺麗で清潔感に溢れていた。

昔の姉は、優しい妹想いのだけど口悪い怠惰な印象を抱いていたがいつしか姉は変わってしまった。社会人になって潔癖気味になった姉はそれはそれは綺麗に片付けている。


無駄な物とか置いてないし必要最低限な物しかない。


「実は…昨日ね」

マツエクで伸ばされた長いまつ毛は影を作り、お姉ちゃんは言葉をつなげる。


「産婦人科に行ったら、学さんとの赤ちゃんがいたの」

「えっ、お、おめでとうっ」

伏し目がちが妙に大人で、その微笑みがお母さんのように落ち着いていて、嗚呼この人はお母さんになるのだと実感した。あたしの姉だけど、姉という立場からより大きな"""母親"になるのだと、あたしも幸せになって頬が緩んだ。


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