棘のある果実

第一章 /盲目




ほんのりと白い肌にぷっくりとした唇。小ぶりな鼻は可愛げがあって頬をよく染める顔色は愛嬌があった。



「聖くん聖くんっ」



俺の名前を恥ずかしげもなく連続してニコニコ笑いかけられる度に、自分がどこか可笑しいなと気づいていた。



人見知りなつぐみは懐いた人にはとことん甘えるタチなのか俺にはこっぴどく甘えてきて無邪気な顔をして花のようによく表情をコロコロ変えていた。



可愛いと、純粋に思った。



小さい頃から人や物にも自分自身にも興味がなかった俺が、初めてもった感情。


彼女には優しくしたい、と思えた。





0
  • しおりをはさむ
  • 297
  • 2808
/ 242ページ
このページを編集する