地味子ちゃんと恋がしたい―そんなに可愛いなんて気付かなかった!

23.地味子ちゃんの部屋にお泊り!

由紀ちゃんから、土曜日の夕食をご馳走すると部屋に招待された。献立はメールで知らされていて、ステーキ、グラタン、ポタージュスープ、サラダとパンだとか、楽しみだ。二子玉川のスーパーで赤ワインとアイスクリームを買って、梶ヶ谷のアパートへ向かう。

駅からの地図を貰っていたので、簡単にたどり着くことができた。聞いていた通りのプレハブの2階建てアパートで2階は女性ばかりが住んでいるとのことだ。由紀ちゃんの部屋は2階の右端だ。

丁度6時に部屋をノックすると、奥から由紀ちゃんのはずんだ声がする。すぐにドアを開けてくれた。可愛い部屋着の由紀ちゃんがいた。メガネはかけていない。

「お待ちしていました。こんなところですが、ゆっくりして行って下さい」

「駅から近くて便利なところじゃないか」

「古いアパートなのでお家賃が安いのがとりえのところです。お掃除はしていますので、見た目よりもきれいですよ」

「今日は招待してくれてありがとう、楽しみにしてきたよ」

「ご期待に沿えないかもしれませんが、ゆっくりしていってください。料理はほとんど出来上がっています。あと最後の調理だけです。温かいもの食べてもらいたくて」

すでにテーブルにはサラダが並んでいる。グラタンがオーブンにはいっているからすぐにできるという。そしてステーキを焼き始めた。僕は持ってきたアイスクリームを冷凍庫にいれて、グラスのあり場所を聞いて持ってきた赤ワインを飲む準備をする。

ステーキを由紀ちゃんが運んでくる。ポタージュスープをスープ皿に入れてくれる。それからグラタンをオーブンから出して夕食が整った。

「いただきます」

「お味はいかがですか」

「このステーキおいしいね」

「焼き具合どうですか」

「丁度いい。毎日こんな夕食が食べられると幸せだろうなあ」

由紀ちゃんの顔がみるみる赤くなってくる。しばらくは、出された料理の味を確かめるように黙々と食べる。

「ワインの味はどう?」

「とってもおいしいです。飲み過ぎないようにしないと」

「酔っ払っても、ここは君の家だから大丈夫だ。僕が介抱するし、後片付けもしてあげるから、ゆっくり飲もう」

「はい、お願いします。もう少し酔ってきたみたいです」

「グラタンもとってもおいしいね」

「はじめて作ってみたのがグラタンでした。料理の本から仕入れて来て作りました。父がおいしいと言ってくれましたので、それから何度もつくりました」

「ほかに得意な料理はあるの?」

「得意と言うほどではありませんが、ほとんど何でもできます、和食でも、中華でも」

「レパートリーが広いんだ。今度は中華を食べてみたいな」

「次はそうします。おいしいと食べてもらえてほっとしました」

「本当においしい。中学生の時から料理していただけあって上手だね」

話が弾んで、赤ワイン1本を2人で空けてしまった。僕が半分以上は飲んだみたいだけど、由紀ちゃんも1/3位は飲んでいたはずだ。意外とお酒には強いみたいだ。いやそうじゃなかった。

ようやくすべて食べ終えた。おいしかったので残さずに食べた。由紀ちゃんはそれをみてとても喜んでいた。後片付けに立とうとした由紀ちゃんがよろけた。少し酔ったみたいだった。

「由紀ちゃんは休んでいて、僕が後片付けをしてあげるから」

「いいえ、私がやります」

立ち上がろうとするがやはりよろめく。

「すみません。お願いできますか? 飲み過ぎたみたいです。ごめんなさい」

「こっちこそ、ごめん、ワインを飲ませ過ぎたみたいで」

「おいしいから油断しました。外ではこういうことはないのですが、自宅なのでやはり油断してしまいました。ごめんなさい」

「そういうところが由紀ちゃんの可愛いところだ。隙があって、かばってやりたくなる」

「それならいいんですけど、どうかバカな私を嫌いにならないでください」

「嫌いになんかならないさ、ますます愛しくなった」

「そういってもらえてうれしいです。少し休んでから後片付けをします」

「いいよ、御礼に僕がしておくから、休んでいて」

由紀ちゃんは、よろけながら部屋の隅にあるベッドに腰かけた。それを見届けると、後片付けを始める。二人分の食器なんてすぐに洗って片付けた。研究所勤務の時は毎日実験器具を大量に洗っていた。

由紀ちゃんを見るとベッドに横になって眠っているみたいだった。料理造りで疲れてもいたんだろう。本当に可愛い娘だ。近づいて寝顔を覗き込む。思わず口づけしたくなるような可愛い寝顔だ。しばらくはこうしておこう。

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