隣の席の室井くん②【完】

10.季節外れのStorm




* * *




ーーその日は朝から雨だった。




シトシト降っていた雨が
冷たい空気に混じり空から落ちてくる。



11月下旬位じゃまだ雪が降るには早いけど


それでも、


もしかしたら雪になるんじゃないかと

そう思わせるには十分な位気温は低く肌を刺す。




「うわー・・・この前より人多くない?」


「本当ね」



あちこちで傘が開かれ
それが入り口付近の人の波に沿ってうごめいている。



「そりゃーな!なんせこの前のキンストライブでのSnakeFootの評判かなり良かったらしいからなー」



相変わらずお姉さんチックなコートに身を包んださっちゃん。


この雨天の中、白いコートを着てくるなんて

君のその勇気に乾杯だよ。


アタシと言えば、
やっぱり相変わらずの黒とグレーで統一された色味感ゼロの服装。


この前買ったばかりの新しいチェック柄のパンツですら、黒とグレーのツートンカラーだ。



「友達がキンストのライブ行ったらしいんだけど、そりゃスゴイ盛り上がりようだったって話だぜ?」



「・・・・・・兄貴」



お洒落番長さっちゃんと
ツートン日吉の間に当たり前のよう立ちはだかりさっきから落ち着きなくソワソワしている兄貴。



何故お前が此処にいる


じろり、と兄貴を見上げれば



「いいじゃねぇかよ。チケット一枚しか取れなかったんだよ。折角だから一緒に来たっていいじゃねぇか」



「よくないよ」



「なんでだよ~」




なんでって・・・。



こんな季節ハズレのガングロ野郎と知り合いだと思われたくない。




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