隣の席の室井くん②【完】

13.雪合戦しようぜ!!の話






* * *





ーー空は晴天。


昨日の天気が嘘のような
突き抜けるような青。



視線を下げれば一面の雪景色。


冬の日差しに照らされて
田舎道の両側に広がる銀世界をキラキラと照らしていた。




「ったく、なんで日曜の昼間にわざわざこんな所まで来なくちゃいけないのよ」




ざっくざっくと足音を立てながら不機嫌そうに隣を歩く女王様も、今日は流石にいつものヒールを脱ぎ捨て

ぺたんこのムートンブーツで雪道を歩く。



「いや~・・・なんでと言われましても・・・」



同じくざっくざっくと音を立てながら雪を踏み締める足取りは、心なしか重い。




昨日のライブから一夜明け日曜日。



特に予定もなく一人部屋でボケーっとしていたアタシの元に、一本の着信が入った。


画面には¨室井くん¨と表示され、慌ててそれに出たアタシの耳に飛び込んできたのは



『ヒャーヒャッヒャッヒャ!!日吉ちゃん俺!!俺、俺!!』




どこの詐欺師だお前は




と、ツッコミ所満載なヒャヒャヒャの声で



『亮介!返せよ!』


『ヒャーヒャッヒャッヒャ~!!』


『あ、こら亮介!食いカス散らかすなって!!』


『ヒャヒャヒャ!!』



「・・・・・・・・・・・・・・・」




この人達は、本当に昨日のライブをやっていた人達なんだろうか。




と、激しく思ったそんな日曜日の昼下がり。






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