隣の席の室井くん②【完】

14.赤点と追試と室井くんの話






* * *




風が冷たくなり、日も更に短くなった。


カレンダーは12月を示し、あっという間に冬らしさを運んでくる。




「俺、今回パス~!」


「うっわマジか!!」




そんなクラスメートの喧騒が教室内に響き渡る午後。


暖房と人の熱気で生暖かさを纏ったこの空間で



アタシは頭を抱えていた。



「・・・マズイ・・・」




机の上に置かれた一枚の紙切れと睨めっこをするアタシの表情は恐らく険しい。



尋常じゃなく険しい。




「純、どうだった?」




そんなアタシを頭上から見下ろすさっちゃんは

当たり前のようにいつもながらの余裕な表情。




「・・・最悪っす」



「うっわ。悲惨ねこりゃ」



12月上旬にあった期末テストの結果が出た今日。



予想はしていたものの
アタシの結果は散々たるものだった。



いつも散々ではあるが
今回は更に散々である。



「テストの存在なんてすっかり忘れてたんだもんよ!!」



「余裕ね~」



「余裕なはずがあるまい!!余裕だったらこんな結果にはならーーん!!」




うわぁぁぁ!!と雄叫びを上げたアタシは

そのまま机にダイブするような形で突っ伏した。




あぁ・・・追試どころか
これは間違いなく冬休みも補習決定だよ・・・



涙がちょちょぎれそうな状態で机に突っ伏したアタシの視界に



ぼけ~っと窓の外を眺める室井くんの姿が映る。



もっさりキタローヘアーの室井くん。


手元にはいつものように本が開かれているものの
どこか上の空だ。



「室井くん、テストどうだった?」



アタシのそんな問い掛けに視線をゆっくりと向けた室井くんは


やんわりと笑いながら
その手に結果用紙を掲げ



「びっくりするほど悪かった」



と、大してびっくりした様子もなくその紙をピラピラとさせる。



チラリとその数字が映る。




・・・わぉ。



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