隣の席の室井くん②【完】

2.飛翔!!室井くん!!





* * *




11月上旬になって
外の空気が変わった。


俺の好きな
冷たい、透明な空気。



それを胸一杯に吸い込むとなんだか背中がピンとするかんじがして


俺は冬が好きなんだ。



「早く雪降らないかなぁ」


思わず呟いた俺に

黒いベースケースを背負ったやなぎんが


「翔は、本当雪好きだな」


と、にこやかに答えてくれる。



「うん。好き」



雪ってスゴイじゃない?
毎日当たり前のように見てる景色が、あっという間に全然違う景色になるし


沢山積もって電車が止まっちゃったり、交通渋滞が起きたり


そんなのもまた
ワクワクなんかしたりして。


「ところで、亮介たちは?」



今日は、今月末に再び控えたライブに向けて

スタジオ練習の日。



駅で合流したやなぎんと
スタジオまでの道のりを歩く。



「あぁ、亮介とイチは先に着いてるってよ」



やなぎんは携帯を開きながらそう言うと、少しだけ足を早めた。



それに置いていかれないように、俺も着いていく。




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