隣の席の室井くん②【完】



気まずい空気が漂う空間にカチャン、とお皿の上に彼の手にしたカップが置かれた音が響いた。


それにつられるようにして顔を上げれば、



「君が、翔の彼女?」



低いトーンで無表情のままアタシを見て呟いた。



室井くんもあまり声は大きい方じゃないけれど、この人はそれ以上だ。


なんていうか、
声のトーンが低いからなおのこと気を抜いたらうっかり聞き逃しそうである。



「いや・・・か、彼女というか・・・」


「違うの?」



しどろもどろに答えたアタシの言葉に被せるように再び口を開く目の前の人物は


恐ろしい程に整ったその綺麗な顔をジっとこちらに向けてくる。



「いえ・・・違くない・・です・・・」


「・・・・・・」




聞いてきたクセにそこはスルーかよ。



本当になんなんだろう。

恐ろしいくらいのオーラを振り撒きながら、組んだ長い足をソファーから投げ出す体勢で


さっきから無表情を決め込み睨むようにしてひたすらこちらを見てくる。




0
  • しおりをはさむ
  • 2643
  • 1393
/ 428ページ
このページを編集する