神のスイッチ3【砂の王国・ゴールド】

砂の王国 /ニトロ軍ガイア

ここは年がら年中日が照りつける砂漠地帯、ニトロ。
真人間達が住まう王都である。
不毛の地だが、黄金に輝くキメ細かな砂は、夕刻になると空の藍色でその美しさが際立ち、幻想的な風景を織り成す。
そんなニトロで暮らすガイアは、兄のオベロンを敵国メビウスに拉致され、一国の王、基、最高司令となる。
しかし元々権力になど何ら興味のなかったガイアは、周りの自分を見る目が変わり、不満を抱えていた。
ガイアはことあるごとにニトロ軍の城でもある要塞を抜け出し、ミクスの教会へ愚痴をもらしに行っていた。

ニトロの人間は従兄弟のネロ以外信用出来ない。

そのネロはというと、ガイアとは長く幼馴染で気心は知れているが、如何せん行動が軽はずみなもので、口の軽さにも定評があり、当たり障りの無い会話しか出来なかった。
その為、専らガス抜きは人種不明のミクスの神父が相手。
神父がニトロやメビウスのどちらにせよ、相槌をうってくれるだけ、壁に話すよりは良かった。
内容としては、懺悔というより、要塞内での不満やメビウスに対する憎しみを聞いてもらっている。
あとは酒場での話やどこぞの女の話等、多忙な神父の時間を拘束しては他愛もない世間話をだらだらと語った。オベロンが拉致されたここ最近の話題と言えば、やはりメビウスへの恨み辛みだろう。
ある日も懺悔部屋へ行くと、フードを深く被った華奢な男がそこから出て来た。
男の顔は影になっていてよく見えないが、すれ違いざまに過剰なくらい間合いをとられ、ガイアは軽く傷付く。
何だか手負いの野性動物の様だと思った。



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